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#225 どんより曇りの日はどんな写真を撮ればいい?

Podcastの第225回をお届けします。音声で聴く方は一番下に。文字で読みたい方はここからどうぞ。

曇天だとかっこいい写真は撮れない?

こんにちは。カメラマンの大野朋美です。

ようやく関東や北陸など、広い範囲で梅雨入りしました。

東京もシトシト雨が降る日が増えてきましたけど、でも梅雨って、雨が降っているときより、スッキリしない曇りのときが、けっこう多かったりしますよね。

それで、せっかく休みで写真を撮りに行こうとしたけど、曇っていたりすると、気分が乗らなくなってしまったり…

実際、曇りの日って、なんだか凡庸な写真になってしまうなって思ったことはありませんか? やっぱり晴れて青空でないと、カッコイイ写真や、スカッと印象的な写真は撮れないな。良い写真は期待できないのかなと感じたり。

たしかにそう思うのは間違いじゃありません。

曇りの日に写した写真が、なぜ凡庸に感じるのかっていうと、1つは光が弱いから、コントラストが弱い写真になるからです。

光が弱いと影が薄くなりますから、パキッとしないんですよね。写したモノのインパクトが弱くなる。

もう1つは、色が薄くなります。グレーに、無彩色に近くなります。色って、強い光が当たった時に鮮やかに発色するのです。

夏らしい写真って、どういう写真でしょう? 強い日差しのもと、濃い影が出て、なおかつ鮮やかな原色の世界を思い浮かべませんか?

逆に冬っぽい写真っていうと、影が薄くて、無彩色に近い風景を思い浮かべたりしませんか?

そうなんです。お天気が曇りで光が弱いと、どうしてもこの冬っぽい写真に近くなります。

曇っていたら、このことを踏まえて、それを活かした写真を撮るようにすれば良いのです。

ここから、曇りでもカメラを持って出かけたくなるような、写真のアイディアをご紹介します。

曇りの日はモノクロ写真を撮ってみる

アイディアその1です。

色が鮮やかに出ないのだから、いっそモノクロ写真を撮ることにしてはいかがでしょう。

モノクロにしても、影が薄いので、結局は凡庸な写真になることも多いです。そのときはカメラのモノクロ写真モードで、コントラスト調整をして、印象を変えてみてください。

でもだったら、カラーでコントラストを調整してもいいんじゃないかと考えるかもしれませんね。たしかにそれで上手くいく場合もあるでしょう。どちらにせよ晴れの日と同じというわけにはいかないのですが、モノクロの方がピッタリくるシーンの方が多いと思います。

曇りの日はローキー写真を撮ってみる

アイディアその2です。

ドンヨリと曇った日は、その感覚どおり露出アンダーで暗〜いイメージの写真を撮ってみてはいかがでしょう。暗くシブいイメージの写真、重厚感のある写真などはこういう日に撮るといいんです。

ただ多くの場合、空は入れない方が上手くいきます。明るさを暗めに設定して写しても、どうしても空は白く写ってしまう可能性が高いからです。厚い雲がしっかり写るならいいのですが。

曇りの日はハイキー写真を撮ってみる

アイディアその3です。

ローキーの逆で、ハイキーの写真もじつは曇りの日に写すと上手くいきます。

ハイキー写真って、明るく爽やかな印象だから、お天気の良い日に写すものだと思われがちですが、あまり日差しの強い日にハイキー写真は上手くいきません。というのも、最初に言った通り、日差しが強いと濃い影が出るからです。

写真全体が明るくなくてはハイキーのイメージになりませんから、濃い影が出るとハイキーのイメージを壊します。

ハイキーを撮るときに、透明感だけでなく少しポップな印象も加えたかったら、イメージモードでビビッドを選んでおくとか、カメラの彩度を上げる設定をしておくといいでしょう。

女性のポートレートも曇りの日がオススメです。あまりドンヨリしてても良くないんですが。曇りの日に少しハイキー気味に撮ると、透明感が出るし、お肌もキレイに写るというのはカメラマンの世界では定石です。太陽が出ていると、逆に天幕を張ってディフューズしたりするくらいですから。

いかがでしょうか。曇りの日でも、こういうイメージの写真を撮るなら、絶好の撮影日和とも言えるんですよね。

それに・・・もし出かける前に気分がドンヨリしてしまってたとしても、その気分通りのドンヨリした写真を撮ると、おもしろいもので、自分のそういったドンヨリ気分は解消されてたりするものなのです。

ではまた来週、火曜朝7時にお会いしましょう!

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