#262 CP+2022視聴リポート
Podcastの第262回をお届けします。音声で聴く方は一番下に。文字で読みたい方はここからどうぞ。
CP+2022はオンライン開催でした
こんにちは。カメラマンの大野朋美です。
「カメラと写真映像のワールドプレミアショーCP+2022」は今年もオンラインのみの開催となりました。リアルな会場での開催でなくオンラインだったこともあって、(会場だとこれまで4日間であったところを)今年は2月22日から27日までの6日間が開催期間でした。リスナーの皆さまの中にも、ご覧になった方は多いと思います。私も時間の許す限り視聴しました。
そこで今日は、はじめにCP+2022オンラインについてザックリお伝えし、その後にいくつか、オススメしたいコンテンツをご紹介します。
CP+2022視聴リポート
このイベントは各メーカーの最新機器を紹介するのが目的です。ですが、単に機器を解説するのでなく、例えばカメラやレンズの紹介だったら、それを使って写した写真家の作品が観られたり、それを使ってみた感想が聴けたりします。そしてさらに、その写真家が撮影時に気をつけていることや、その方の撮影スタイルといったこともお話しされます。ですので気付きが得られたり、勉強になったりするのです。
今年、私が注目したことは、写真家の方々に、写真作品だけでなく、動画作品も撮影してきてもらって、プレゼンされていたことです。
写真家の方々の映してこられた作品は、無音のショート動画がほとんどでしたが。でもこれって、動画撮影もいかがですか? と、各メーカーにオススメされているワケですよ。これからは、写真やってる人は動画も撮るのがフツウの時代になるのでしょうか…。まだ分かりませんが、メーカーが押してきているのはハッキリしましたね。
それともうひとつ注目したのは、昨年、唯一と言っていい一眼レフで頑張っていたPENTAXのコンテンツは無かったようですので、カメラに関するコンテンツは全てミラーレス機についてのものでした。いよいよデジタルカメラはミラーレス機の時代に移ったようです。
CP+2022注目コンテンツ
ここから、心に残った写真家さんのお話を二、三、ご紹介します。
■野生動物写真家 半田菜摘氏
ニコンのコンテンツで、北海道で野生動物を撮影している野生動物写真家の半田菜摘さんが出演されていました。撮影にのぞむ際にキッチリ準備して行くことや、撮影ノートをちゃんとつけているとお話されていたのが印象に残りました。
人に聞いたことを鵜呑みにせず、自分で見たことを大事にするとおっしゃっていて、自分がこの目で見たことは、記録をつけているということでした。いやもう、素晴らしいですね。
こういったデータの積み重ねと、それに基づく準備、やはりこれが大事で、写真家は、こういったことをちゃんとやってるのですね。
■水中写真家 古見きゅう氏
キヤノンでは、世界中の海に潜って写真を撮られている、水中写真家の古見きゅうさんが出演されていました。
もちろん魚や海の生物のステキな写真をたくさん撮られていて、魚が笑顔でこちらを向いている写真を見せながら、魚も笑うんですよと話されていて、彼の人がらや海の生物に向ける想いが伝わってきました。
そして一方で、海の汚染という問題にも向き合っていました。海や砂浜に捨てられたゴミなんかも、僕は写していますとお話されていました。
最後の方で司会の方が古見さんへ、「写真の役割とは何か?」と尋ねていて、「記録」と答えてましたが、写真という手段で、海の生き物の素晴らしさや、汚染という現実の両面を伝えようとしている姿勢が伝わってきました。
野生動物写真家の前川貴行さんも、似たような話をされていました。自分にとって写真は、動物たちを知るための手段だと。しかし、もちろんカメラがなかったら、そこへ踏み込んで行けなかった、と。
いずれも私があまり撮らない分野、詳しくない分野だったから印象に残ったということもあるかもしれません。
これが撮りたい! という被写体への愛がある方は最強だなと、あらためて思いました。そして、やはり「被写体への敬意」が大事なのだと、それを大事にされていると知ったことも良かったです。
今回、CANONのトリを飾ったのは、やはり航空写真家のルーク・オザワさんでしたが、ルークさんや鉄道写真家の長根和弘さんと村上悠太さんの対談などは、安定のおもしろさでしたね。トークの上手さで言えば中井精也さんは、毎回、期待を裏切らないですね。私も見習わないと、です(笑)
いかがでしたでしょうか。写真家さんのお話は、写真にかける情熱が伝わってきますので、観ると写真を撮りたい気持ちが盛り上がりますよ。
3月中は、まだyoutubeにアーカイブが残っているコンテンツが多いので、ご覧になられると良いのではないでしょうか。
ではまた来週、火曜朝7時にお会いしましょう!