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#246 今しか写せない

Podcastの第246回をお届けします。音声で聴く方は一番下に。文字で読みたい方はここからどうぞ。

秋の上高地を写真散歩

こんにちは!カメラマンの大野朋美です。

私がYouTubeで配信している『カメラとブラともみ』2021年11月では上高地を写真散歩しています。

上高地は、昨年の紅葉の時期のも訪れていて、このポッドキャストでも話しました。そのときは飛騨高山、白川郷、上高地という贅沢なコースを巡ったのですが、旅の日程や情報について、以前のポッドキャストで話していますので、ぜひそちらもおき聴きいただければと思います。

さてそれで、昨年訪れたときの感動を皆さまにもお伝えしたいなと思って、今回は上高地を選びました。

ちょっと残念だったのは撮影日は予想していた最盛期より1週間ほど早めになってしまったことです。制作2人の仕事の都合上、どうしようもなかったのですが。

それでも快晴で、お天気にも恵まれましたし、映像の中で話している通り、まさに前日に雪が降って、初冠雪という幸運にも恵まれました。

さてそういった状況のなか、昨年ひとりで訪れたときと同様に、朝8時半くらいに大正池に到着しまして、ほぼ同じルートを歩きました。

『カメラとブラともみ』は、毎回下見はしていなくて、ほぼ初の訪問が多いのですが、今回は昨年と同じような状況のなかを歩くので、だいたいどんな写真が撮れるのか予想もつくし、ロケ前は、気分的にちょっと余裕を持てていました。

いつもは、わたしも初めての場所で、どんな写真が撮れるのか分からないまま歩いているので、ちょっとドキドキの収録だったりするんですよね、実のところ(笑)

まあそれはいいとして。話を戻しますと、でも結果として昨年と同じ写真はあまり撮れていません。

撮らなかったんじゃなくて、撮れなかったんですね。昨年、自分の中でもすごくいい写真が撮れたなと思っていたスポット、風景が、なんだかちょっと覚えていた印象と違うんですよ。

それは例えば、実際に植生が少し変わっていたということもあります。水がきれいなので、川の水草がきれいに見えるのですが、その水草の群生のしかたが、ちょっと違っていたとか。昨年、バーっと広がっていたのに、今年はそれほどでもなかったとか。

また、天候が快晴で同じであったのに、朝その場所を訪れた時間が少しズレただけで、光の当たり方が変わっていて、イメージと違うので撮らなかった場所もありました。

逆に、昨年は見かけなかった倒木があって、それが絵になるので写真にうつしました。映像でも確認いただけます。

つまり何が言いたいのかというと、同じ時期に同じ場所を訪れても、同じ写真は撮れないんですよね。

同じ写真は撮れない

昨年はそれほど印象に残っていなかったスポットに目が向いたり、ということもありました。それは私の感受性が昨年とは少し違っていたからでしょう。ひとりで来た時と、こうやって誰かと来たときでも感じ方は変わりますので、そのせいもあるかもしれません。

だから常に、次は無いんですよね。また来年も同じ風景が見られるとは限らない。というか、まず見られないと思った方がいいでしょう。

たしかに大枠では、同じ上高地の秋の風景です。大きくガラッと変わっているというわけではありません。でも写真を撮るものとして、風景をじっくり見つめるなら、同じじゃないと感じるはずです。

ファインダーからのぞいてみたとき、ちょっとの変化は大きな変化になります。

だから常に、いま出会う風景をしっかり見つめていきたいと、あらためて思いました。カメラを持って歩くからこそ、それが出来るんですよね。

そして、以前の記憶に引きずられずに、一期一会で向き合っていきたいと思いました。

ではまた来週、火曜朝7時にお会いしましょう!

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