カメラを上達したい初心者に向けた写真の基礎

本やネットを使って、独学で写真を勉強している。カメラの使い方や、写真用語も少しは知っている。なのに、いつまでたっても上達できないと感じている初心者の方へ。

写真を上達するためには何を勉強すればいいのか。ここでは全国で写真講座を展開しているカメラマンの大野朋美が、そんな方のためにお答えします。

これを読めば、断片的なテクニックではなく、写真をマスターするためには何を勉強すればいいのか分かります。

1.写真を上達するためには何を勉強すればいいのか

初心者のうちは、自分の写真がイマイチに思えても、その何がいけないのか、どこをどう改善すればいいのかが、分からないものじゃないですか。

私が行っている初心者向の写真講座では、最初に参加者に尋ねていることがあります。

写真を撮るときに、どこにこだわって撮りますか?すると出てくる答えは大抵「構図」です。これ以外の答えが出てくることは、滅多にありません。

カメラの説明書を読んでみたけど挫折したという方も多いのですが、それも当然だと思います。そもそも、写真について何を知っておくべきか、その全体像を知らないままに、このボタンはどういうもので・・と書かれていても、よく理解できなくて当たり前でしょう。しかも用語もよく分からない。初心者向けの写真の指南本でさえ、ここをちゃんと教えている本は少ないようです。

写真の知識と言っても、実際のところ膨大な量があります。でもまずは、どんなものを撮る場合でも必要となってくる、基本中の基本をザックリと解説していきますので、全体像を掴んでください。

写真の基礎(写真を撮る時に頭に置いておくこと)

・構図
・ピント
・明るさ
・色
・光
・テーマ

ではここから、それぞれについて見ていきましょう。

2. 構図を決める

構図について学ぶというのは、ひとつは写真に限らず美術を学ぶ場合に出てくる、基本の構図を学ぶことです。たとえば三分割法や三角構図のような。構図法の種類を知ることと、それぞれの意味、視覚的な効果を知ることです。

2つ目は、レンズによる写り方の違いを知ることです。

そして3つ目はアングル、ポジショニングといった視点の違いによる、写りの違いを知ることです。
これら全てを理解して、構図は決められていきます。

3. ピントを決める

ピントをどこに合わせるのかは、写真にとって重要な点です。なぜなら基本的に、ピントを合わせた場所が、相手に最も見せたいポイントとなるからです。
しかし実際には、判断に迷う場面も多いでしょう。目の前に広がる風景全体を伝えたいんだ。そういうときはどこに合わせればいいのか迷うものですよね。

相手が動いているもの、動体を写すときは、ピンボケにならないようにしなければなりません。そのためのカメラの設定、主にオートフォーカスの設定です。
そしてもちろんブレの問題もあります。

設定されたシャッタースピードの時間にカメラが動いてしまうことにより生まれます。これは失敗によるものもありますが、その効果をねらってわざとブラす場合もあります。

またピントを学ぶというのは、ボケについて学ぶことにもなります。撮りたいものにピントが合っていないのがピンボケ。ピントが合った箇所の周辺がボケるのが(背景)ボケです。背景をどのくらいボカすのか、それによって見え方が変わってきます。ボケを利用した表現方法について学ぶといいでしょう。

4. 明るさを決める

明るさは、見る人の気持ちを変える効果があります。写真の明るさは、肉眼で見ている明るさと同じではありません。
撮ってみたら見た目より暗かった、明るすぎたという経験は誰でも一度はあるでしょう。しかしそれは逆に考えれば、実際の明るさによらず、自分の好みの明るさに決めることもできるということです。

デジタルの技術は日進月歩で、今のカメラは、肉眼では暗い場所であっても、昼のように明るい世界を写真で見せてくれます。

5. 色を決める

色は見る人の印象、感情を変化させます。写真の世界では、色を設定することをホワイトバランスを設定するといいいます。
ホワイトバランスは、よくアルファベットの頭文字を取ってWBと書かれています。白いものが、きちんと白く写るように設定するという意味です。
とはいえ、目で見えた通りの色で写すばかりではなく、自由に色を決めることもでき、自分らしい色合いを見つけることも、魅力でしょう。

6. 光を決める

光は、写真にとって一番重要な要素です。そもそも光が無ければ写真には何も写ってきません。写真は光があってこそ存在するものなのです。
ではこの光の何を決めればいいのでしょう。3つあります。

まず光の量です。明るいとか暗いといったことです。

次に光が当たる方向です。「逆光」という言葉は広く使われていますね。「逆光だから、ここで撮るのは止めておこう。」という話は、何も写真家でなくても誰もが使います。
でも単に前や後ろといったことだけでなく、あらゆる方向、角度によって、見え方は変わってきます。

また、光が「強い」とか「弱い」といった言葉も使いますね。光の強さということも考慮に入れる必要があります。
これはよく、「明るさとは違うのですか?」と質問されますが、明るい中でも、強い光で明るいことと、弱い光で明るい場合があり、別のことになります。

7. テーマ(主題)を決める

この項目を最後に持ってきましたが、「テーマ」とは、実際には最初にあるべきものです。
若干ニュアンスは変わりますが、「イメージ」と言い換えた方がピンとくるかもしれませんね。

その写真で、何を見せたいのかというのがテーマです。そこを見る人にどう伝えるのか、先に挙げた2~6はそれぞれ、そのために必要な表現方法となってくるのです。

ここまでで、写真を勉強するための全体像についてお話してきました。それぞれについての詳しい話は、別に記事を用意していますので、ご覧ください。

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