カメラ初心者に向けた写真上達法

広く知られている写真上達法とは?

「なかなか写真が上達しません。」

「どうすれば写真が上手くなりますか?」

長く写真を教えてきたなかで、写真上達法についての相談をよくいただきます。

写真の上達法って、いろいろな先生が教えていますが、だいたい似たようなことが言われているって知ってました? それが以下の3つのことです。

① たくさん撮ること

② 50mmの単焦点レンズだけで撮る訓練をすること

③ 優れた写真作品をたくさん観ること

ザックリと箇条書きしましたが、大事なのは、ここから先の話です。

そして、この先の細かい説明は、写真の先生や写真家によって、若干ニュアンスが変わってきます。

ですので、それぞれについて解説していきますが、これは写真講師である大野朋美の考え方になります。他の写真家とは意見が異なることもあります。

私については、プロフィールをご覧いただければと思いますが、写真で仕事をしているカメラマンで、写真講師でもあります。9年ほど写真を教えてきていて、現在いくつかの写真教室を主宰しています。

写真上達法1 たくさん撮ること

上達法のひとつ目は、写真をたくさん撮ることです。もちろん、ただシャッターをたくさん切ればいいということではありません。また、カメラの設定をオートで撮っていても上達はしません。

いろんな分野で何かを習得しようとするときに、よく「量稽古」などと言われますが、写真も同じです。ひとつのシーンで、真剣に構図を考えたり、適切な露出を考えて、カメラを設定して撮る。この経験を重ねていくことです。

そうすることで、まずカメラの使い方に慣れます。ここまではよく言われていることです。

さらに私がお伝えしたいのは、ひとつの被写体についてたくさん撮影することです。

初心者の方に多いのは、とかくベストな1枚を目指そうとすること。

でもプロのカメラマンは、撮影アイディアが豊富です。1つのモノ、風景を前にして、幾つも撮影アイディアが湧いてきます。写真が上手くなりたいなら、「引き出しを増やす」ということも、よく言われています。

引き出しを増やすためには、上手い人の写真をたくさん観ることです。これは上達法3で説明しています。

写真上達法2 50mmの単焦点レンズだけで撮る訓練をすること

2つ目は、50ミリの単焦点レンズだけで撮る訓練をすることです。

焦点距離50mmのレンズは、標準レンズといって、人の目に近い遠近感で写してくれます。

ズームできないので、自分が動いて画角(写る範囲)を決めることになります。思ったより広い範囲が写りそうなら、自分から被写体にもっと近付く。逆に狭い範囲だったら離れるなどしてシャッターを切ります。そうやって標準50mmレンズの感覚をつかむことができます。

この50mmより数字が大きいものを望遠レンズ、数字が小さいものを広角レンズと言います。ズームレンズを使っていると、そういったレンズと画角の感覚を掴むのが難しくなるのです。

また50mmというのは、先ほど言いましたように、望遠でも広角でもなく、人の目に近いので、要するに“平凡な写真”になりがちなのです。そこで撮影に工夫が必要になったりするので、そういったことが学びに繋がるのです。

しかし実は、これについては、私はそれほど価値を置いてません。上に書いてきたようなことは大事な学びであることは確かだと思います。でも50mm以外のレンズも、それぞれに知っておきたい特徴がありますから、いろいろなレンズを使ってみて、その違いを知ることでも、同じ学びが得られると思っています。

写真上達法3 優れた写真作品をたくさん観ること

3つ目は、上手い人の写真をたくさん見ることです。

これには、今の時代、気をつけなければならないことがあります。そもそも「上手い人」は誰なのかということです。

インターネットで、爆発的にたくさんの写真を目にするようになりました。でも玉石混交です。

そしてSNSで「いいね!」がたくさん付いている写真が、この上達するために見るべきいい写真だとは限らないということです。「いいね!」を付けている人が、必ずしも「目利き」であるとは限らないからです。

逆に、芸術的評価の高い写真に、必ずしも「いいね!」が沢山付いているとは限らない場合もあります。ですので、有名写真家の写真とか、そういったしっかりとした裏付けのあるもの、専門家も評価している作品を観るようにした方がいいでしょう。

構図等のセンスを養うなら絵画もいいでしょう。ただ写真を観る目は、絵画とは別ですので、優れた写真作品を観るようにしてください。

もうひとつの写真上達法

私が唱える、もうひとつの写真上達法もご紹介します。

それは写真が好きで、写真漬けになってるような人たちと付き合うことです。なんだ、そんなことかと思われたかもしれませんが、意外に効果は大きいので、ちょっと聞いてください。

私は写真教室の他に、写真クラブも運営しています。写真を学ぶというより、楽しむために集まっているグループです。

そこには、カメラを始めたばかりの方から、中学生のとき写真部で、そこから何十年もやってきているベテランまで、いろいろな方が来ています。

そういったなか、初心者で入ってこられた人でも、だいたい1年後には、はっきりと分かるくらいに上達されています。

実は私自身、そのことを不思議に思っていました。なぜなら、先ほども言いましたように、写真教室ではないので、写真を勉強する場ではないし、私が何か教えるということも、ほとんどありません。もちろん尋ねられれば教えますし、写真についての話は、いろいろとしてはいますが。

写真が好きな人たちのグループの中に入って、写真を楽しんで撮っているだけで、写真が上達している。これっていったいなぜだろう? と思っていました。

そして分かったことがあります。写真をやっている人たちの中に身を置くことが意外に大きく影響しているってことです。そういう環境に身を置くことが影響しているんですよね。

日頃から、写真の話をしたり、写真を見せあったりしていること、それ自体も上達に影響している思いますが、自分も上手くなりたいというモチベーションが維持できることにもつながります。

本を買って、密かに自分で勉強したり、他の人が良かったと言っている写真講座に参加してみたりと、上達するための行動を取っているのですね。

いかがでしたか? どれか1つでも、効果が期待できるので、トライしてみてくださいね。もし、どれも既に聞いたことがあったなら、別のアプローチで解説した、こちらの記事を読んでみてください。

#230 よく言われている写真上達法とは?

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《目次》カメラマンの撮影手帳

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