紅葉の美しさを写し撮るコツ


〈白駒池〉
きれいな紅葉の風景に心動かされたとき、多くの人は自然とカメラに手がのびます。でも写してみると、なんだか実際と違う、もっと感動的に撮れないかなと思ったことはありませんか。ここでは紅葉の美しさに感動した気持ちをどうやってカメラにおさめるか、ポイントとなる光や、構図について解説します。使える撮影アイディアもたくさん紹介します!

1.紅葉の撮りかた解説動画

まずは実際に紅葉スポットへ行って、その場で撮影しながら解説した動画を用意しました。全4話、1話がおおよそ10分くらいです。急いで知りたい場合は第4話の5:20あたりから全体のまとめを話していますので、そちらをどうぞ。
この映像で解説している内容も含め、次の項目3から写真と文字で解説していきます。

2.紅葉撮影のポイントは光

紅葉に感動するポイントは、やはり色でしょう。色は光に影響されます。その日の天候や、光の状態をみることが大きなポイントとなってきます。
天候や時間など、その時の光に合った撮影を考える。または、自分の中にイメージがあるなら、それに合った光のときに出かけて行って撮るようにします。
晴れて光が当たっているとき

こちらは太陽が曇に隠れたとき(薄曇り)

印象が大きく変わってくることが分かります。「どうもイメージと違う」とか「なんでもっと鮮やかな色にならないかなー」と思ったら、実は写真の撮り方というより、自分ではどうすることもできない天候のせいだったかもしれません。じゃあ諦めるしかないのかというと、どんな光の状態の時にも出来ることがあります。

3.晴れた日の紅葉撮影

上で見た通り、色が鮮やかに出るのは紅葉に光が当たっている時です。でもお天気のいい日に、こんな風な写真になってしまったことはありませんか。

こういったときは、明るさを少し暗めに調整して写すようにします。(暗めに補正するなどカメラの操作方法は、一番下の「関連記事」をご覧ください。)

また「PLフィルター」を使うという方法もあります。白っぽく写るのは、太陽の強い光が葉っぱで反射されるため。PLフィルターはレンズの前に取り付けて使うものですが、これを使えばその光を軽減してくれます。

4.曇りの日の紅葉撮影

曇りの日や太陽が雲に隠れているときは、鮮やかな色は期待できません。曇りの日といっても薄曇りの日はいいかもしれませんが、特にどんよりと曇った日は難しいでしょう。
例えばこの写真。

そこで色を変えてみます。カメラの「WB(ホワイトバランス)」を変えてみると、、

紅葉の色らしくなってきました。どうやったかというと、「WB」の設定を「AWB(オート)」だったのを「曇(雲の)マーク」に変更しました。

そしてさらに、カメラの設定を変えてみると、、

さらに色が濃くなりました。どう変えたかというと、カメラによって名前が違うのですが「ピクチャーコントロール」とか「クリエイティブスタイル」などといった項目を(MENUボタンの中にあることが多い)、「鮮やか」とか「ビビット」に設定します。曇の日であったり、山の中など日陰の場所だったときは、この設定にしてみてもいいかもしれません。

でもこんな光の下では、いっそ晩秋の落ち着いたイメージに写してもいいかもしれません。その場合は、上で説明したのとは逆に、少し青っぽく、暗めに写るように設定します。

5.紅葉は逆光で

“紅葉は逆光で”とは、写真教室に参加したことがあれば必ず言われていることです。木の下から見上げたりするなどして、葉っぱの裏側から撮ると、、

光が葉っぱを透かしてくれるので、濃い色の赤が鮮やかに写ったり、黄色が金色に光っているかのように写ってきます。またこのように幻想的な美しさになったりします。

コツは、少し明るめに補正して撮ること。この方がきれいに写る場合が多いです。

6.落ち葉を撮る

この項目からは、紅葉の撮影アイディアをご紹介していきます。

まずは落ち葉。紅葉は、落ち葉を撮るのもお勧めです。

このように苔の上や地面に落ちた葉っぱを、

絨毯のように敷き詰められている場合、

また水のきれいなところでは、水に浮かんだ葉っぱ、沈む葉っぱを写してもいいでしょう。

いずれにしても早朝や早い時期など、まだあまり葉っぱが汚れていないときの方が、落ち葉がきれいです。

7.湖面に映った紅葉を写す

湖や池の湖面に映る紅葉を写してもいいですね。水彩画のようなイメージできれいです。

パソコンソフトやアプリで調整するなら、コントラストや彩度を上げてみてください。そういったものを使わずカメラの設定で行うなら、「風景モード」にしたり、上にも出てきましたが「鮮やか」とか「ビビッド」に設定してみてください。

8.紅葉で彩られた風景を写す

ここまで紅葉した木や葉を写すことを中心に話してきましたが、この季節は、風景を紅葉が彩ると考え、例えばこの写真のように、、


アクセントとして入れてみてもいいでしょう。またこんな風に、、


紅葉が、建物や風景を囲うように撮れる場所やアングルを探してみても。

いかがでしたか。最後に、紅葉は年によって色づきが変わります。なので当たり年であるかどうかも影響してきます。
また最初に出てきた解説動画をまだ観ていない場合は、上に戻って観てもらってもいいですし、軽井沢の雲場池で紅葉撮影のコツを解説した動画もあります。

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