モノクロ写真 最初の一歩。カメラの設定と撮影テクニック

モノクロ写真を身近に

世界をモノクローム(白黒)に写しとった写真は、かっこいいし、オシャレですよね。 でもちょっと敷居が高く感じるし、難しそうだし…。奥が深いのは分かるけど、だからこそ、自分で写したモノクロ写真を、人に見せるのは気が引ける。そんな方も多いのではないでしょうか。でも、そんなに難しく考える必要はないのです。
写真の初期の頃は全てモノクロだったわけです。だからもっと身近に感じて、積極的にモノクロを選んでみてください。

ここではまず、実際どういうときにモノクロ写真にするといいのか。モノクロで写すのか、カラーで写すのか。その選択について説明します。続いてモノクロ写真を撮るときのカメラの設定や、かっこいいモノクロ写真を撮るためのコツについて解説していきます。これを読んで、ぜひモノクロ写真にどんどん挑戦していってください!

映像解説もご用意しました。こちらをご覧いただければ一目瞭然で、すぐに理解できます。でも活字で読みたいって方は、次の項目から説明しています。

モノクロ写真、カラー写真、選ぶのに迷ったら?

「常にモノクロでしか撮らない」というくらい、その魅力に取りつかれた人もいます。でも多くは、普段はカラー写真を撮っていて、モノクロはたまに撮っているくらいじゃないでしょうか。そんな人に、なぜそのときはモノクロで撮ったのかを尋ねてみると、特に明確な理由はなく、「なんとなく」とか「気分で」っていう回答が返ってくることが多いです。

多くの場合それでいいのですが、でも撮影シーンによっては、カラーで写した方がいい場合と、モノクロで写した方がいい場合があります。ここで逆をやってしまって、せっかくの写真の魅力を下げてしまうことがありますので、ぜひ知っておいてください。

まず、どうしてもカラー写真でないといけないシーンって何でしょう? それは例えば、この写真です。この橋は、欄干の赤色が特徴的です。

モノクロにすると、その色が失われてしまいます。

鮮やかな赤色が目を引いたので写したのなら、ここはやっぱりカラーですよね。
他に例を挙げると、花を撮るとき。たとえば桜や薔薇などは、その色を写したいでしょうし、紅葉もそうですね。あと、青空もカラーで写したいのではないでしょうか。

でもカラーよりモノクロの方がスッキリと伝わりやすい写真になることがあります。下の2枚の写真を見比べてください。

ビルがズラッと並んでいる感じが、モノクロの方がスッキリ伝わりやすくなっていると感じませんか? 空の雲の形もクッキリと分かるようになりました。

この写真で伝えたいのは、色よりも、このビルの並びです。色があるということは情報量が増えるということ。だから形状を伝えたいとき、形を強調したいときにカラーだと、そこが伝わりづらい写真になってしまうことがあります。こういうときは、モノクロにした方がいいのです。

それと、先に出た赤い橋の写真も、そもそも赤い色じゃなくて、橋の欄干の形に注目して写すのなら、モノクロでも良いということになります。

これが分かると、これまでイマイチだなと判断していた写真や、「なんでこの写真を撮ったのだろう?」と後から見返したときに思ってしまった写真も、モノクロにすれば素敵な写真に生まれ変わるかもしれないと分かります。

もしそういった写真が手元にあるなら、今からでもアプリやソフトを使って、モノクロに変えてみてください。きっと何枚かは、驚くほどかっこよく生まれ変わると思います。

モノクロ写真のカメラの設定

モノクロ写真で撮りたいと思ったら、カメラのどこを設定すればいいのでしょう。カメラによって操作方法は異なるのですが、多くはカメラの「MENU」ボタンの中や、ファンクションボタン「Fn」の中を探すとあります。下のような用語が使われているはずです。
「ピクチャースタイル」
「クリエイティブスタイル」
「カスタムイメージ」等々

ここを選ぶと、他に「スタンダード」「風景」「夜景」等があって、その中の1つに「モノクロ」があります。

かっこいいモノクロ写真にするには

古い建物や、老舗のお店をモノクロで写すと、歴史を感じさせるかっこいいイメージになります。

でも上の写真は、なんだかちょっと「重厚感」に欠けると感じませんか? これは明るさを適正露出で写しているからです。少し暗め(アンダー目)にして写せば、このようになります。

明るさ調整の方法は、上に貼ってある解説動画の②、2:00 あたりで出てきます。

モノクロ写真は形に注目してみる

モノクロ写真は形を強調したいときに使うと良いと言いました。それは例えばこんな写真。

見て分かるとおり、鋲が並んでいる様を写しましたが、モノクロであるぶん、そこが伝わってきたと思います。

また、シルエットで写したり、影に注目してみるのもアイディアです。

モノクロ写真は光がポイント

よく、モノクロ写真は光だと言われます。(もちろんカラー写真も光は大事ですが。)でも光が大事なポイントだと言われても、まだ初心者のうちは、光をどう見ていいか分からないものです。そういった初心者に向けて、光で印象がどれほど変わるのかをお見せします。下の2枚の写真を見比べてみてください。

写真家の目は、経験を重ねて養っていくとして、まずはこの2枚のように、陽当たりのいい場所と日陰で印象がこれだけ変わるということを知っておくといいのではないでしょうか。

もう少しモノクロについて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

かっこいいモノクロ写真を撮るための基本

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