【動画解説アリ】モノクロ写真のカメラ設定
「モノクロ写真を撮ってみたけど、かっこよく撮れない・・・」「長年モノクロ写真を撮ってきた人のように、かっこよく撮るにはどうしたらいいのだろう?」 そんな風に感じている方のために書きました。
かっこいいモノクロ写真を撮るには、センス云々の前に、まずモノクロ写真を上手く撮るために知っておきたい基礎知識があります。カメラの設定についても、学んでおく必要があります。ここを押さえておけば、かっこいいモノクロ写真、オシャレなモノクロ写真が撮れるようになります。
※モノクロ写真をこれから始める人へは、入門編となるこちらの記事を先に読まれることをお勧めします。
モノクロ写真を始めたいひと向け。カメラの設定と撮影テクニック
まずは映像解説をご用意しました。これを観れば、どんな時にモノクロ写真を撮ればいいのか、モノクロ写真を好みの雰囲気に写すためのカメラの設定について理解できるのでお勧めです。文章でも以下に解説していきます。
0:00 熱海にモノクロ写真を撮りに来ました
0:51 モノクロとカラーの両方で撮っておくためのカメラの設定
3:33 モノクロ写真の方が合う風景とは
4:35 熱海をカメラ散歩
5:00 カメラでコントラストを調整する方法
8:09 坂のある海辺の町で写真を撮るなら
モノクロ写真の印象を左右する露出
「モノクロ写真は光が大事だ。」「モノクロ写真は光で決まる。」こういった教えを耳にしたことはありませんか?
でも正直なところ、なぜ光が大事なのか分からない。光について、何をどう考えればいいのか分からない。
そんな風に感じている方も多いと思います。ここではモノクロ写真を撮るときにカギとなる光の見方について解説します。
光について押さえるべきポイントは、「明るさ(露出)」と「コントラスト」です。
まず分かりやすいのは明るさですから、こちらから見てみましょう。下の2枚の写真を見比べてみてください。
明るさが変わるだけで、印象が変わったことが一目で分かりますよね。暗い方が、良い意味で古さ感じさせる雰囲気になっていて、このシーンには合っています。
もちろん、いつも暗めに撮ればいいというのではなく、撮影シーンや自分のイメージに合うように調整してください。
モノクロ写真の印象を左右するコントラスト
2つ目のポイントはコントラストです。ワンランク上のかっこいいモノクロ写真を撮りたいと思ったら、コントラストについての理解が必須です。
コントラストというのは、平たく言えば、明るい所と暗い所の差、明暗差です。下の2枚の写真を見比べてください。
下の写真の方が、かっこいい印象を受けると思います。
この差は、出ている影の濃さです。直射日光が当たって濃い影が出ている方がコントラストの強い写真、直射日光が当たらず影が薄い方がコントラストが弱い写真です。
コントラストは光で変化します。直射日光が当たっていれば、コントラストは強く出ます。
それなら、曇っていて光が弱いと、コントラストの強いかっこいいイメージの写真はあきらめるしかないのか・・・というと、そんなことはありません。写真のコントラストは、カメラの設定を調整することでも変えることができます。
下に、カメラの設定でコントラストの強さを変えた写真を並べてみました。ご覧ください。
光の当たり方による変化と同じではありませんが、カメラを調整することでもコントラストを変えることができます。
ではカメラのどこをどう調整すればいいのでしょうか。
モノクロ写真の印象を左右するカメラの設定方法
コントラストを変えるには、カメラの「モノクロ」設定項目を開くと、こんな表示が出てきます。
全てのカメラで、こういった細かい調整が出来るとは限りませんが、一眼レフやミラーレス一眼であれば、ほとんどのカメラでこういった調整メニューがあります。上の2つの機種でも調整項目が同じではないように、カメラによって調整できる項目は変わってきます。ただ、大抵コントラストは変えられるようになっているはずです。
下のCANONの画面には「フィルター効果」という項目がありますが、これもコントラストを変えるための調整です。フィルター効果の調整では、部分的にコントラストを変えることができます。
例えばこの中に「Ye(イエロー)」という項目があって、ここを変えることによって、青空の陰影を自然に、白い雲をクッキリと写し出すことができたりします。
ちなみに「シャープネス」という項目は、文字通り、シャープな写りにするかどうかを聞かれています。好みに応じてここも変えてみるといいでしょう。
ただ、シャープを変えるなら、“ノイズ”のとの兼ね合いも考慮しなくてはならなくなります。これについて、次の項目で説明します。
フィルム写真のようなモノクロが撮りたい
モノクロ写真で作品づくりにこだわっている人の中には、フィルム写真のような雰囲気に仕上げたいという方も多いようです。そのときにポイントになるのが、写真の粒状感です。ざらつき感と言えば伝わるでしょうか。デジタルでは「ノイズ」と呼ばれるものに当たります。
モノクロ写真のポイントは、この粒状感をどう出すのかも作品の大きなポイントの1つです。
実際の粒状感を高めたかったら、ISO感度を高くするといいです。通常は嫌われがちなノイズですが、モノクロでは、それが“味”となります。
このカメラの感度MAXまで上げたISO25600の方を見ると、写真がザラついてますよね。これが「ノイズ」です。ISO400の方も出てはいるのですが目立っていません。
ISO感度の数字を上げていくと、徐々にこのようなザラつきが現れてきます。どのくらいの粒状感にするのかは、自分の好みで決めていくといいです。
ちなみに、そもそもが明るいところだと、ISO感度を上げてもノイズはほぼ出ないことは押さえておいてください。
さて次に、前項でシャープについて触れましたが、シャープを強めるとさらに粒状感が強く出ます。
シャープを掛けることによって、ノイズもクッキリするからです。
でも、粒状感にこだわりたいなら、JPEGでなくRAW設定で写して、現像ソフトで粒状感の調整をすることをお勧めします。粒状感の細かいディテールも変えられますし、コントラストの調整も自由度が高いです。
モノクロ写真を撮るためにフィルムカメラを買う方も多くいます。もちろんそれもいい選択ですが、デジタルカメラでも、RAWで写し、現像ソフトを使うことによって、フィルム写真のように仕上げることはできます。
いかがでしたでしょうか。ここでご紹介したことを踏まえるだけで、レベルアップしたモノクロ写真が撮れますので、ぜひ活かしてみてください。
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