テーブルフォトを素敵に撮るテクニック

ここでは、初心者の方にも分かるように、テーブルフォトの撮り方、カメラの設定の仕方を一つ一つ解説しました。
また、撮ってみたけどイメージと違った。でもどこをどうしたらいいのか分からないという方にも、解決のヒントが得られると思います。ちょっとしたコツを知っているか知らないかで大きく変わるのがテーブルフォトです。ぜひ読んでみてください。

1.テーブルフォトとは

「テーブルトップフォト」の一般的な呼称です。テーブルの上に小物や花、スイーツをスタイリング(ディスプレイ)して撮影された写真を「テーブルフォト」と呼んでいます。可愛らしい、エレガントな、ポップなといった女性的なイメージで撮られる写真がほとんどです。ちなみに、モノを撮影した写真は「スティルライフ(still life)」と言います。日本の写真業界、プロのカメラマンの間では、「ブツ撮り」と言っています。

2.映像解説

まずはテーブルフォトを失敗なく素敵に撮る方法を映像で解説しました↓↓


この写真が・・


こうなるまでを解説しています。観れば一目瞭然ですので、まずは上のビデオをご覧になることをお勧めします。次の項から写真と文でも解説していきます。

3.テーブルフォトで使うレンズ

一眼レフやミラーレス一眼カメラの場合、買った時に付いているレンズは、大抵は標準ズームレンズです。20mm前後〜100mmまでのものが多いようです。写すモノや撮りたい構図によって一概には言えませんが、どちらかというと、50mmよりも数字の大きい望遠側で写した方がいいです。広角レンズで撮ろうとすると、カメラを近づけることになります。そうすると写真が歪みます。できれば映像で解説しているようなセッティングで撮る方がいいです。
あと小さなものを大きく写すなら、マクロレンズもあるといいですね。ちょっとお高いですが。マクロレンズは100mm前後のものがオススメです。使っているプロカメラマンも多いです。

レンズの開放F値も選ぶときのポイントとなります。レンズは上に書いた焦点距離(mm数)と最小のFの数字を見て選びます。できればこのFの数字が“2”とか、それ以下のものだといいです。背景をボカすことができますので。

4.テーブルフォトのカメラの設定

まずカメラは三脚に据えて撮るようにします。その方が楽で上手くいきます。なぜなら、テーブルフォトでは撮影する小物の位置を微調整することが多いので、両手がフリーで使えた方がいいのです。これが1つ目の理由です。理由は3つあって、2つ目の理由は、三脚に据えていればカメラ位置が変わらないからです。カメラを手に持っていれば、微調整したあと、当然カメラを構える位置は変わります。これでは微調整した意味がありません。この説明が分かりづらければ、上の解説映像で、私の動きを観てください。3つ目は、アクセサリーのようなとても小さなモノを写すときは、手ブレの影響が大きいからです。

カメラの設定は、まず撮影モードダイヤルを絞り優先モード(Av,A)に合わせます。これは背景のボケを調整できるモードです。

このモードに設定すると、“F”という記号と共に数字が表示されます。その数字でボケを調整します。数字が小さければ、大きくぼかすことができ、数字を大きくしていくと、背景までくっきりと写ってきます。※カメラの使い方についてはこのリンク記事に詳しいです。
初心者のための一眼レフ・デジカメの使い方

室内は暗いので、手持ち撮影の場合はシャッタースピードが遅くなると手ブレを起こしますので、シャッタースピードもチェックすることが大事です。その意味ではM(マニュアル)で撮影した方がいいかもしれません。手ブレを起こさないシャッタースピードに設定し、明るさはISO感度で調整するようにします。

5.テーブルフォトは自然光で撮る

室内の蛍光灯だと、点いていても肉眼の印象より暗く写りますし、おそらくイメージの写真にはならないでしょう。

できれば昼間、窓から外光の入る部屋で撮るようにします。ベストなのは晴れた日や薄曇りの日に写せば、多くの場合綺麗に写ります。もし強い光が入るような時は、場所を窓から離すとか、レースカーテンを引くなどして調整します。

そしてポイントとなってくるのは、小物とカメラと窓の位置関係。美味しそうとか、観る人が思わず手を伸ばしたくなるような写真にするには、窓からの光が、小物に対して横から入ってくるように置くとか、斜め後ろから入ってくるように置くことをお勧めします。

自分(カメラ)が窓側に立つような方向から撮ると、小物がのっぺりと平面的に写ることと、自分の影が入ってしまいやすいので、避けた方がいいケースが多いです。逆光は、場合によってお勧めできることもあります。

照明(撮影用ライト)を使って撮るのもいいですが、それはまた別の記事で。

6.レフ板の効果

光が窓からしっかり入ってくる状況なら、窓と反対側に影が出ます。光が強ければ強いほど影も濃くなります。濃い影は、印象を暗くしたり、力強いイメージになるので、テーブルフォトには合わないことが多いです。そんなときはレフ板という反射板を使い、その影を薄めることをして、印象を和らげます。

レフ板は、この写真のよう置いて使います。

窓と反対側に置いて、窓から入ってくる光を反射させ、撮影するモノの影に当たるようにします。

レフ板は、白い紙やアルミホイルをボール紙に貼って自作してもいいですし、市販品もあります。作るときも買うときでも、撮影するモノより大きめのものを用意するのがポイントです。

7.テーブルフォトの構図アイディア

よく言われているのは、三角構図と三分割法です。三角構図は、三角形ができるように配置することで、バランスが取りやすいのでお勧めされています。
三分割法はこのように、、

縦横2本ずつできるラインに沿うように置いたり、4つできる交点のどれかに配置してみるといいでしょう。
ラインやその交点がどこにくるか分からなくても、ほとんどのカメラでガイドラインを表示できるようになっています。スマホでも出てきますよね。

「MENU」ボタンの中に「グリッド」やそれに類する名前の項目がありますので、そこを「表示する」に設定します。ガイドラインはカメラによって様々な表示のされ方ですが、三分割のラインは多くのカメラで採用されています。

8.テーブルフォトは背景が大事

撮りたい小物のイメージは、実はその周辺に写っているものや、背景の色が大きく影響します。背景でイメージが大きく左右されます。
例えばこの写真。


なんだかフツーですね・・。でも、こうしたらどうでしょう。


見ての通り、背景の色を変えただけです。光も変えていません。このように、色が変わっただけでもイメージは大きく変わります。
また気をつけたいのは、背景が部屋のインテリアの場合。


電話やティッシュケースが写り込んでいます。このように主役のイメージと違うものは入れないようにした方がいいです。大きくぼかしても、写っているものは、案外認識されるものですので、外した方がいいでしょう。

9.好みの色に仕上げる

食べ物や小物はちょっとした色味の変化で、雰囲気がガラッと変わったりします。この2枚の写真を見比べてみてください。


上はホワイトバランス(WB)をオート(AWB)で、下の写真は曇りマークに設定して撮影しました。上の方が見た目に近い色ですが、美味しそうに見えるのはどちらでしょう。これは個人個人の好みによります。自分が美味しそうに見えるように色(ホワイトバランス)を変えてみてください。

また色の濃さもある程度カメラで調整できます。カメラの[MENU]ボタンの中に「ピクチャースタイル」「クリエイティブスタイル」といった項目があるので、そこで「鮮やか」「ビビッド」などを選ぶといいでしょう。

いかがでしたか。ちょっとしたことで印象が大きく変わるのがテーブルフォトです。セッティングやカメラの設定をいろいろと変えて、ぜひ自分好みの素敵な写真を撮ってみてくださいね!

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